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同居と介護(2)~同居介護の家造りポイント




介護バリアの無いプランとは?具体的な設計を示しつつ、ポイントをご紹介しましょう。
「同居と介護(1)」では、介護経験者の声をご紹介しました。今回は「同居と介護の現状」を分析し、その結果とあわせて、同居介護の障害となっている問題点を解決できる「介護バリアを無くした家造り」について、ご紹介していきたいと思います。具体的な設計ポイントなどもありますので、ぜひ参考にして下さい。

同居の介護、2つの介護バリア


介護には、在宅で家族が介護を担当する他に、介護サービスを利用するという方法があります。それでは、実際に要介護状態になった場合、同居をしている場合としていない場合では、どのような違いがあるのでしょうか。そこで居住形態別に、介護差そービスの利用状況について調べた結果をご紹介しましょう。
■介護サービスの利用状況
介護サービスの利用状況

資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きく表示されます
三世代同居にご注目下さい。ここでいう三世代同居とは、生計が一体のもの、いわゆる「べったり同居」を指しており、二世帯住宅での世帯別に分かれた同居ではありません。単独世帯に比べ、訪問系のホームヘルプサービスが極端に少なく、通所介護の利用が多い傾向があるのがお解り頂けるかと思います。この要因としては、以下のような要素が考えられます。
■介護サービスパタンの分析
介護サービスパタンの分析

資料提供:二世帯住宅研究所 ※画像をクリックすると大きく表示されます
三世代同居の場合、同居家族が居ることにより【通所介護】をしにくくする要因=「通所介護バリア」を克服できるメリットがある一方、同居家族が居るために家族以外のヘルパーさんが家の中に入る【訪問介護】を受けにくい状況=「訪問介護バリア」が生じていると考えられます。訪問介護の利用が少ないことにより、介護の費用は単独世帯よりかなり少ないと想定されますが、同居家族による介護負担が過大になりがちなのがマイナス点と言えるでしょう。この調査でいう「同居」は、二世帯が一体となってひとつの家に住むもので、二世帯住宅での同居とは異なりますが、同居には訪問介護サービスを受け入れにくい現状があることがお解りいただけたと思います。

2つの介護バリアを無くす家造りを


介護において、精神的にも物理的にもいろいろなメリットがある同居ですが、介護サービスなどを受ける面において問題があるのも現状です。このような状況を踏まえると、親子同居において将来介護をする場合、【訪問介護バリア】と【通所介護のバリア】ふたつの「バリア」を克服した住宅が理想的だと私たちは考えました。そのポイントを以下に整理してみましたのでご覧下さい。

■介護を踏まえた理想の親子同居住宅
介護を踏まえた理想の親子同居住宅

資料提供:二世帯住宅研究所 ※画像をクリックすると大きく表示されます
訪問介護バリアの解消には、ヘルパーさんが訪問しても同居家族の生活が干渉されないように、介護室と水回りのセットをコンパクトにまとめる必要があります。独立性のある二世帯住宅や、水回りを備えた介護室が必要になります。通所介護バリアの解消には、入浴やリハビリ施設へ通所するために、外出しやすくすることが求められます。家の中を動き回るときのバリアフリーに加え、玄関や道路に至るルートにも手摺や車椅子配慮が必要になります。超高齢化社会を向かえた現在、介護が必要になった場合に、二世帯同居というメリットを活かしつつ、全てを同居家族が背負い込まないためにも、このような2つの介護バリアを排除した住まいが求められると考えます。それでは、これらを踏まえて【訪問介護バリア】【通所介護のバリア】が排除できる具体的な手法を

独立した介護室の備え --- 訪問介護バリアの排除


訪問介護のバリアは、ヘルパーさんが訪問して介護をしている時に同居家族の居場所が無いなど、空間的独立性不足が原因となります。そのため、介護に必要なものを、一つのスペースに集めておくことで訪問介護が受けやすい環境にすることができます。
■独立した介護室の例
独立した介護室の例

資料提供:二世帯住宅研究所 ※画像をクリックすると大きく表示されます
この例では、当初は和室だった部屋に、トイレと洗面所の配管準備をしておくことで、車椅子にも対応できる、洋室と水回り付きの独立した介護室としています。これにより、同居の家族も気を使うことなく、ヘルパーさんによる訪問介護サービスを受けられるようになります。

玄関のバリアフリー化 --- 通所介護バリアの排除


通所介護のバリアは、段差や狭さのために介護される人が外へ出にくいのが一番の原因と言えるでしょう。1階の床の高さから道路までは段差や曲がりがあるのが普通ですし、土ほこりの侵入防止やプライバシー確保のためにもそれらが必要です。ですから家の内部ではバリアフリーが考慮されていても、外に出るとなるとバリアが多い、ということも起こりがちです。玄関の設計において下記のような配慮が必要になります。
■玄関のバリアフリー化
玄関のバリアフリー化

資料提供:二世帯住宅研究所 ※画像をクリックすると大きく表示されます
新築時は、手摺下地の準備または簡単な手摺のみですが、歩行が困難になった場合は、玄関内部だけでなく玄関ポーチ部分にも手摺を追加し、体を支えられるようにします。そして車椅子になった場合は、携帯スロープの利用などで、玄関框から玄関外の道路まで、つなげられるようにします。このとき、一直線につながるか、曲がり部分の広さが確保できることが重要です。このように、歩行支援と車椅子対応の両方に備えておくことで、介護の状態に応じて適切な対処ができます。

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