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同居と介護(1)~介護経験者の声




超高齢化社会がすすむ現在、介護は深刻な問題。皆さんは、どのような心構えをされていますか?
超高齢化社会がすすむ現在、介護は深刻な問題のひとつです。私たち研究所においても、介護についての実態を知ることで、よりよい『二世帯住宅』を提案していきたいと考えています。そこでガイドが、同居と介護について調査・分析した結果をご報告させて頂きます。今回は「介護経験者の声」についてご紹介いたします。

同居に求められているのは「いざという時の助け合い」


以前の調査で、二世帯同居経験者に「二世帯同居のきっかけ」をお聞きした結果からご紹介させて頂きます。子世帯1位・親世帯3位と順位は異なりましたが、『親の(自分達夫婦の)老後のことを考えたから』という理由が、いずれも上位となりました。
■二世帯同居のきっかけ
二世帯同居のきっかけ

資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きく表示されます
次に「同居をしてみて良かったこと(二世帯住宅の場合)」について、どのようなことが挙げられているか、以下のグラフをご覧下さい。親世帯・子世帯ともに「自分や家族の急病の時など心強い」という項目を一番に挙げています。
■同居してみて良かったこと(二世帯住宅の場合)
同居してみて良かったこと

資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きく表示されます
このように、同居をはじめる前も、実際に同居をしてからも「いざと言う時にお互いに助け合えること」が、二世帯同居をする上で大きな目的・メリットとなっているのは事実と言えるでしょう。

二世帯同居での介護は、安心が一番のメリット


実際に、同居の親世帯が要介護状態になった場合、どのようなことを実感されたのでしょうか。二世帯同居経験者で実際に介護をしていらっしゃる方々からお聞きした、生の声をいくつかご紹介したいと思います。
●看病する人をサポートできる
看病は、看病する人をサポートすることも重要。同居したことにより、父の看病をしていた母の体力・食事面を見てあげられたことが良かった。特に、食事が一緒だと、食の好みの変化・食べる量も分かるので様子が分かって良かった。 ●ひとりで背負わない安心感
夫婦だけで(妻が夫を・夫が妻を)介護をしている場合、相手は病人だからという意識から、ケンカもできなくなっていることがある。同居により、他に家族がいる安心感から、夫婦ケンカも元通りできるようになった。 ●家族との交流がリハビリに!
脳梗塞の後遺症で言葉が不自由になったが、家族と一緒に過ごすことが回復につながったと実感している。特に、小さかった孫との同居により、劇的なリハビリ効果があった。その孫との絆は今でも非常に強い。 ●毎日見ているからこそ適切な判断ができる
毎日見ていれば「気分が悪い」と言っていても、「ちょっと横になっていれば」という判断ができるが、離れていたら「救急車を呼ばなきゃ!」ということになる。一緒に暮らしていることで、毎日様子が見れることは安心。 ●複数の目がある安心
一緒に住むことで、例えば受験勉強をしている息子が、となりの部屋で寝ていた親世帯の様子がいつもと違うときに、心配して見に行ってくれたりもした。家族皆が気にしてくれることで、介護の負担は分散される。 ●子どもにとっても良い経験
子供達も、親世帯・ご主人が倒れ、同居してからの二世帯のいろいろを見ている。TVではなく、良いところ、悪いところを、実際に見ているため、今後相手の親、自分の親と何かあったとしても、心構えができていると感じる。

この他にも「介護を通し、潤い・相互扶助がある、解け合った同居となった」「お嫁さんがいるその“遠慮”が家族円満の素となった」など精神的な絆も含め、二世帯同居は介護というステージで、かなりよい効果を発揮しているということが、複数の経験者からうかがえました。

車椅子の利用も踏まえた将来対応がベスト


二世帯同居で介護する場合は、どのような家にしておけばよいのでしょうか。介護経験者の方々から、二世帯同居で介護をするにあたり、住まいの設計で配慮したこと・良かったこと・不具合を感じたことなどについて、お話をお聞きしていますのでご覧下さい。
●介護は椅子座で計画を
骨折などの怪我で床座の生活ができなくなり、洋室を使用した。介護状態になった場合は、畳よりベッドとテーブルの方が、本人も動きやすくまた介護もしやすい。 ●夫婦別寝室に
要介護となったご主人の寝室は別室にし、専用の洗面を設置した。 ●廊下の幅は広めの計画を
入居当初は必要ないと思っていたが、廊下幅が狭く車椅子で通れないのではないか心配。将来的なことも考えると、車椅子でも通れる廊下幅が確保できると良い。 ●扉は引き戸がおすすめ
扉はなるべく引戸にしておくと、車椅子になっても開閉ができるので良い。とくにトイレは、プライバシーの問題だけでなく、臭いの問題も含めて、車椅子になった時も閉められる様にしておくことがベスト。 ●水回りは広く!できれば専用スペースを
浴室・洗面所を広くしておくと、要介護状態になったときにも使いやすい。浴室は3枚引戸を採用し、介添えでの出入りもしやすく配慮した。また、加齢とともにトイレに時間がかかるようになるので、本人専用のトイレがあると、本人にも家族にもストレスがない。 ●手すりは向きも重要
手すりはほとんどついていたが、浴室内の出入り、玄関上がり框にある縦手すりは、縦だと握力が落ちると握れない。横手すりがあると良いと感じた。また、デザインも考慮できると尚良い。 ●細かい配慮が自立への道
照明などのスイッチ位置は、車椅子でも届く高さにした。また、洗濯機が1階で洗濯干し場が2階だったため、親世帯には大変そう。加齢に伴い上下の移動は大変になるので、親世帯の上下動線は極力無くし、自立できる環境にしておく方が良い。 ●車庫へのアプローチにも配慮
屋内車庫を設けたが、雨でも車への乗り降りが楽で良かった。特に母を伴なう車の外出には重宝している。

当初は考えてもいなかった「介護に必要となるスペースの確保」や「車椅子の対応」、症状によって異なる「手摺りの設置」について、経験者ならではの意見が多く見られました。実際に介護が必要になった場合、介護がしやすいか否か、また本人が自分の力で移動しやすいか否かは、日々の生活で大きな違いとなるようです。健康状態や介護レベルにより、細かな配慮は様々で、すべてのことに備えられる訳ではありませんが、これらに備えた住まいが万一介護になった時でも安心できるといえるでしょう。

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