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森山高至さんのこだわり素材の家

異なる素材が渾然一体となる不思議な家




 鈍い輝きを放つ窓枠に注目
森山高至さん(アルス・ノヴァ)が経堂に建てた家「遊々庵」を拝見してきました。一見して建て売り住宅などとは違う外壁の素材や、独特のデザイン処理に思わず足を止めて見入ってしまうような一軒です。
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多様な素材の華やかな競演
外観でまず目を引くのが奈良から取り寄せたという銅樋の不思議な色、さらに天然スレートの屋根、そして左官仕上げの外壁と木目方枠のコンクリート外壁…。一軒の住宅に多様な素材が使われ、しかもそれらが渾然一体となっている。その調和と結合感に、思わず「ほうっ」と見入ってしまいました。こういう組み合わせもあるのか…という感じです。
中に入ると、玄関は貝の化石を含むグレーの大理石と木目方枠のコンクリートの組み合わせ。外光が微妙な影を生み出し、その質感をいやがおうにも強調しています。玄関はそのままこの家の中央を貫く通路となり、居住空間はセンターにある中庭を挟んで2つに分かれる恰好で配置されています。
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猫の通り道のある浴室のガラスブロック
まず玄関側(道路側)にバスルーム。ここはレンガ状のガラスブロックで仕切られているのですが、内部もガラスとタイル(壁)と大理石(床)を使って一体化をはかった仕上げになっています。このレンガ状のガラスブロックがなかなかGOOD! 手間暇をかけた特注品の贅沢さがしっかり伝わってきますね。もう一方の南側の居住空間は個室になっており、そこはおもに遠来の客を遇する部屋とのことでした。
不思議なのは、中庭と通路の壁に白いレザーが使われていること。なんでこんなところにレザーが?と思わず聞いてみると、「石とコンクリートとガラスの組み合わせがちょっと冷たい印象だったので、あえて柔らかい手触り感覚のものを持ってきた」(宮副ただしさん/アルス・ノヴァ)とのこと。なるほど、なかなかおもしろい発想ですねー。
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石とコンクリートとガラスにレザーの壁が加わった空間

ウォールナット基調の室内に土佐漆喰の壁



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家族が集まるダイニングルームは落ち着いた色調 2階に上がると、今度は素材に木とスチールが加わってきます。振り分けられた室内は、道路面がとても木造とは思えないほどの高さ・広さのあるリビング、もう一方がキッチン+ダイニングになっていました。
キッチン+ダイニングは、廊下(木)と階段(スチール)とテラス(エキスパンドメタル+ガラス)が空間的に繋がっていて、視界もよく明るい。キッチンの引き戸に使われているのは木目の美しいタモ材です。
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キッチンから通路・テラスを通してリビングを見る いっぽうのリビングはというと、こちらはウォールナット基調の室内にメープルのフローリング、土佐漆喰の壁、そして窓には木製ブラインドという組み合わせ。あたたかみがあって、くつろげそうな空間になっていました。露出した構造材を木の色に塗るなどの工夫がとても生きてます。
家族の集まるソファーの後ろには、どっしりしたウッドのデスクが置かれていましたが、ご主人はここで持ち帰った仕事をされることもあるとか。これだけ広ければ、それもストレスなくできるでしょう。それにしてもこの広さ! まるでアメリカのドラマを見ているような感覚ですねー。
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懐かしのアメリカのホームドラマを思い出させる空間

何十年の時を経て生き続ける素材のよさと職人技


続いて3階はプライベート空間。道路側には、子どもなら数人が泊まれるロフト付き、ミニリビング付きの子ども部屋があります。ここはきびしい斜線制限のためかなりきつい斜度の壁面(天井の一部)になっていますが、森山さんはこれに丹念にメープル材を張って、じつに手触りのいい空間に生まれ変わらせました。



専用のロフトのある小リビング

木の手触りが嬉しい子ども部屋
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数人の友だちが来てもこのスペースなら大丈夫! その仕上げの見事さはまさに特筆もの。職人さんたちのきめの細かい手作業と建築家の仕上がりへのこだわりが伝わってきます。こんな場所で育つ子どもは、きっと素直で頭の柔軟な子になることでしょう。



階段室の光と影の競演

家の中の家に入る感覚 テラスを挟んでもういっぽうの部屋は夫婦の寝室。天井が高くてプライバシーがしっかり確保された快適なベッドルームになっていました。
「アルス・ノヴァでは、マニエリスティック・マテリアリズム(Manneristic Materialism)というコンセプトを大切にしていて、素材の放つ質感や素材固有の表現形式を能動的に捉え、それを構造や結合処理などに美しく生かしていきたいと思ってるんです。この遊々庵では建て主さんが賛同いただけたこともあって、それをフルに発揮させることができました。ある意味、とても贅沢な造りですが、素材のよさや仕上げへのこだわりは何十年もしっかり生き続けるものだと思いますよ」(森山さん)
素材を大切にする家づくりもまた、建築家とならではの愉しみといえるでしょうね。森山さんは、設計コンペなどで有名なサイト建築Webの運営にも関わっている人。建築家との家づくりを今後もますますおもしろくしていってくれるものと期待しています。



素晴らしい天井高の寝室

ここにもメープル材が… ■設計監理:アルス・ノヴァ/森山高至、宮副ただし
■構造設計:アトリエ・ラ・クレ、吉田一成構造設計室
■施工  :小島工務店 ●敷地面積:95.64m2(28.93坪)
●建築面積:57.10m2(17.27坪)
●158.80m2(48.04坪)
●構 造 :木造+RC造、地上3階建て

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