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ガイド一押しのベアボーンはこれ! キューブ型 PC をつくろう




Shuttle ST20G5 の箱はプリンタより少し大きい程度

ベアボーンって何?

PC 雑誌を読んでいて「ベアボーン」という言葉を見かけたことはありませんか? ベアボーン(Bare Bone)とは、「むき出しの骨」という意味で、半完成の状態で販売されている PC のことです。今回は、ガイド一押しのベアボーン PC と、その組み立てについて解説します。最初に、PC を構成するパーツ(部品)をまとめてみます。PC によって多少の違いはありますが、以下のようなパーツ(部品)から構成されています。
ケース

マザーボード(M/B)

電源

CPU

メモリ

HDD

光学ドライブ(DVD±RW ドライブなど)

FDD

ビデオカード(不要の場合もあり)

キーボード

マウス自作 PC の場合、これらすべてのパーツをそれぞれ購入し、組み立てる(自作する)必要がありますが、ベアボーンは、ケース、M/B、電源があらかじめ組み合わされて販売されているのがふつうです。逆にいえば、それ以外のパーツは、自分で選んで購入する必要があります。ですが、M/B の取りつけや主要なケーブルの配線が終わった状態で売られているため、完全な自作 PC と比べれば簡単です。なお、ショップ自身が選んだパーツを組み合わせて売っている完成品 PC は、と呼ばれます。言い換えれば、「ショップ製の自作 PC」です。PC を初心者にやさしい順に並べると、以下のようになります。
メーカー製>ショップブランド>ベアボーン>完全自作
ST20G5

ST20G5 の付属品類

ベアボーンを選ぶ

さて、ベアボーンは、Shuttle、AOpen、ASUSTeK、WiNDy など、いくつかのメーカーから販売されています。最近ではとくに、省スペースでスタイリッシュなデザインの、キューブ型 PC が人気です。そこで、キューブ型を前提に、ガイドが選ぶ際に条件にしたポイントをまとめてみました。
デザインがよいだけでなく、静音性が高いこと。

AMD の CPU、Athlon64(Socket 939)に対応していること。

LAN は 1000 BASE-T であること。

ビデオカードが増設できること。

10万円以下で完成できること。
Athlon64 を条件としたのは、Windows の64ビット版や CPU のデュアルコア化など、将来のアップグレードを考えてのものです。しかも、同 CPU は省電力な上、ウイルス防止機能を持っています。ベアボーンの中では、WiNDy 製品がデザインと静音性で圧倒的に優れています。しかし、その他の条件や価格を考えた結果、Shuttle の ST20G5 を選びました。Shuttle 製ベアボーンの中では、SN25P と SN95G5 も有力候補でした。前者は HDD を2基搭載できるメリットがありますが、PCI-Express 以外の拡張スロットがないのがデメリットでした。結局、ST20G5 はビデオ機能を内蔵している上、PCI-Express スロットによるカード増設も可能で、その結果、最大4画面までの出力ができるというのが決め手になりました。
Windows XP が格安で買える?!>>NEXTCONTENTS
Page1:ベアボーンって何?
パーツ類

ベアボーン完成のためのパーツ

パーツを揃える

ベアボーンや自作 PC を買う際の鉄則は、パーツの対応関係を事前に調べるということです。とくに、CPU とメモリについての確認が大切です。そのためには、M/B のマニュアルをよく読んでから、ほかのパーツを買うようにします。メーカーの Web サイトで情報を探すのもよいでしょう。最終的には、ショップの店員さんに聞いて確認します。
ST20G5 の場合、対応パーツは次のようになります。●CPU:
Athlon64 の Socket 939 版です。Athlon64 には Socket 754 版もありますが、ピンに互換性がないので要注意。また、コアは最新の「Venice」を選びました。Venice コアは、AMD 製 CPU では初めて、SSE(Streaming SIMD Extensions)3 という拡張機能に対応、マルチメディア処理性能に優れています。ST20G5 は、このコアに当初から対応しています。また、ST20G5 には CPU クーラーが付属しますので、クーラーを買う必要はありません。●メモリ:
DDR 333(2700)と DDR 400(3200)のメモリに対応しています。価格は同程度なので、高速な DDR 400 を選びます。また、同じサイズ、メーカーのメモリを複数枚使えば、より高速なデュアルチャンネル動作が可能です。この場合、2枚同時に購入します。メモリの品質は当たりはずれがありますから、ブランドのシールが貼られたものか、国際規格の「JEDEC 準拠」とされているものを買いましょう。●その他:
残りのパーツは、HDD と光学ドライブ、FDD です。HDD は、シリアル ATA(SATA)160GB(7200 回転、キャッシュ8MB)、光学ドライブは DVD±RW がよいでしょう。通常、ドライブには DVD 再生ソフトと書き込みソフトが付属します。ST20G5 では、OS をインストールする際に FD が必要とのことでしたので、ほとんど使わない FDD も買うことにしました。さて、以上購入したパーツは、ほとんどが「バルク品」(Bulk)です。これは、メーカーが業者向けに出荷したものが、小売の販売経路に流出したものです。一般の「リテール品」が、きちんとした箱に入って売られているのに対して、バルク品は包装が簡単です(CPU ではクーラーも付属せず)。しかも、メーカー保証は付きません(ショップの保証はあり)。もちろん、品物としては同じですし、非常に安く買えるのが利点です。自作の際は、非常に重宝する存在です。バルク品を不安に思う人もいるでしょうが、私自身は、バルク品で失敗した経験はほとんどありません。パーツ選びに関しては、で述べたとおり、お金をかける順番を以下のようにします。
メモリ>HDD>CPU>グラフィックこのため、メモリは 512 MB のものを2枚(計1GB)購入、CPU は、もっとも安価な Athlon64 3000+(1.80 GHz)としました。また、ビデオはとりあえず内蔵のものを使用、カードの増設は「後のお楽しみ」です。なお、キーボードとマウスについては、今回は古い PC のものを流用しました。

Windows XP を1万円安く買う

ところで、上の画像を見て、「Windows XP のパッケージが変だな?」と思った方、よく気がつきましたね! その通りです。今回購入したのは、Windows XP Home Edition の「DSP 版」(OEM 版)で、箱に入っていません。DSP 版とは、「ハードウェアにバンドルまたはインストール」した状態で、ショップがライセンスする形で販売するものです。単品では購入できず、FDD などのパーツとセットで買わなければなりません。しかも、「同時に購入したハードウエアと共に使用する」という条件もつきます。しかし、中身はパッケージ製品と同じですし、何より、価格が安くなります。Windows XP Home Edition の場合、パッケージ版は 22,000~25,000円しますが、DSP 版は 12,000円前後。Professional Edition でも、パッケージ版が 31,000~35,000円に対し、DSP 版は 18,000円程度です。つまり、Home Edition では、FDD とセットで買っても、パッケージ版より1万円も安いということになります(Professional ならそれ以上)。DSP 版は、ショップのソフトウェア売場ではなく、パーツ売場にありますし、ポップも目立ちません。売場のレジで、在庫と価格を問い合わせましょう。なお、パッケージ版でも、「アップグレード版」は、DSP 版と同じ程度の価格で買えます。しかし、アップグレードでのインストールは、古い OS を保有していないといけませんし、不具合を起こすことが多いのでオススメできません。
次は、いよいよ組み立て…>>NEXTPage2:パーツと OS を揃える

ST20G5 の背面

背面の上・左・右にある3つのネジをはずす

ケースを開けて組み立て開始

さて、いよいよ組み立てです。以下、手順にそって説明しますが、必ず付属マニュアルを見ながら、一つ一つ作業を進めて下さい。まず、ケースを開けます。ST20G5 の背面にある、上・左・右にある3つのネジをはずします。手で回すだけではずせますので、簡単です。「Shuttle」のロゴの入ったケースを手で持ち、少しうしろに引くようにしながら持ち上げるとはずれます。力を入れすぎないように、注意してください。

ST20G5 内部

ST20G5 のケース内部ケースを開けると、茶色の M/B や、ケーブル類などが見えると思います。まさしく「むき出しの骨」と言える姿です。ベアボーンでは、M/B がケースに取りつけ済みですので、M/B 上へのパーツの取りつけから始めます(完全自作の場合、M/B にパーツを取りつけ終わってからケースに固定します)。

CPU クーラー

左手に パイプ式の CPU クーラーが見える

CPU の取りつけ

CPU の取りつけは、いちばん慎重を期す作業です。まず、ケースの金属部分に軽く触れて、体の静電気を逃がしましょう。M/B や CPU には、静電気は「天敵」です。プラスのドライバでネジを回し、HDD などのドライブ類を固定する3段式のトレーをはずします。すると、CPU クーラーがよく見えるようになります。通常の CPU クーラーはファン式ですが、ST20G5 では冷却性と静音性を両立させるため、独自のヒートパイプ式クーラーを採用しています。

CPU クーラー

CPU クーラーを取りはずしたところ次に、CPU クーラーをはずします。少し力を入れて CPU 上にあるクリップを取りはずしますが、力を加えすぎないようにしてください。さらに、ケース背面の4つのネジをはずして、CPU クーラーをファンごと上に持ち上げ、はずします。この時、パーツを M/B 上に落とさないように気をつけてください(ファンとパイプはネジ留めされていません)。M/B を破損すると、PC を起動できなくなります。取りはずしたネジは、ケースのネジと混ぜないように分けておきます。

CPU 取りつけ部

CPU 取りつけ時の向きに注意する続いて、CPU の取りつけです。細かい穴の空いた取りつけ部の横(写真では右側)にあるレバーを持ち上げ、CPU を差します。この際、マニュアルの写真をよく見て、CPU の向きに十分注意しましょう。向きが正しいと抵抗なく差し込めますが、間違っているとすんなりとは差せません。無理に差そうとすると、CPU のピンが曲がってしまい、二度と使えなくなってしまいます。差し込んだら、レバーを下げて固定します。熱をヒートパイプに伝えるためのグリス(ベアボーンに付属)を、CPU の表面に塗ります。グリスは中央部に少しずつ出し、ヘラ状のもので全体に広げます。この際、薄く全体に塗ることが大切です。初心者は塗りすぎてしまいがちですが、これでは、かえって冷却効率を下げてしまいます。M/B 上にはみ出すような塗り方は、厳禁です。終わったら、CPU クーラーを上からかぶせ、ファンをネジ留めして電源をつなぎ、さらにクリップで固定します。

いよいよ完成!>>NEXTPage3:ST20G5 を組み立てる(1)

メモリ

DDR メモリを M/B に取りつける

メモリの取りつけ

CPU の次は、メモリです。メモリスロットは2つですので、それぞれ、メモリを取りつけます。左右のとめ具を開き、メモリの穴をスロットの突起に合わせるように向きを確認して、上から均等に力を加えて差し込みます。きちんと入れば、とめ具は自然に閉じるはずです。留め具が閉じないようなら、向きに間違いがないかどうか、さらに均等にささっているかを確かめて、必要ならやり直して下さい。

HDD

ドライブトレーに、HDD を取りつけた

ドライブ類の取りつけ

ドライブ類は、取りはずしてある3段式のトレーに取りつけます。順番は、下から HDD、FDD、光学ドライブの順です。ドライブ類は、いずれもドライバを使ってネジ留めします。ネジは左右2つずつの計4つで、ベアボーンに付属のものが使えます。ST20G5 では、HDD と FDD を取りつけた後、トレーを本体にネジ留めします。

HDD の配線

HDD に電源とケーブルを差す光学ドライブを取りつける前に、HDD と FDD のケーブルを接続します。HDD の電源ケーブルは下方から、SATA ケーブルは上方から取り回し、しっかりと差します。FDD のケーブルは付属のもの(黒色で先端に「Floppy Drive」と表記)を使い、メモリスロット横から取り回します。FDD 用の小さな電源も、忘れないように接続してください。そして、光学ドライブを後方から差し込むようにして取りつけます。これも、電源ケーブルは下方から、IDE ケーブル(黒色で先端に「Optical Drive」と表記)は切り込みの向きに注意しながら、上方から取り回しましょう。音声用ケーブルの差し込み口は、CPU の横になります。

ケーブル類

ケーブルをまとめ、内部の換気を確保する

ケーブルの固定

キューブ型 PC は内部空間が狭いため、空間を確保することが大事です。これを怠ると、内部に熱がこもり、せっかくの静音性がだいなしになるからです。そこで、付属品を使って、ケーブル類を複数本まとめてしばったり、ファン横に固定します。とくに、ファンの前の空間を空けるように工夫しましょう。

動作を確かめる

最後に、動作を確認します。ケースを開けたままで電源ケーブルやモニタ、キーボードなどを接続し、正面右のパワーボタンを押して電源を入れます。きちんと通電し、文字がモニタに表示されることを確かめて下さい。英語で「システムディスクがない」とのメッセージ表示されれば正常ですので、電源を落とし、ケースをかぶせてネジ留めしましょう。まったく通電しなかったり、「ピー」という警告音が出る場合は、どこかに異常がありますので、パーツの接続を見直します。「FDD がない」など、特定のメッセージが表示されたら、その接続を再確認してください。
OS をインストールする…>>NEXTPage4:ST20G5 を組み立てる(2)

OS のインストール

DVD ドライブに OS の CD-ROM を入れた状態で起動し、インストール作業に入ります。ST20G5 では、SATA のドライバを FDD からインストールする必要がありますので、インストール開始直後の画面で[F6]キーを押し、ベアボーンに付属の FD を差し込んで、次の画面で[S]キーを押します。詳しくは、Shuttle の FAQ ページの (A) Installation in SATA mode にある画像をご覧下さい。途中で HDD のフォーマットを行いますので、インストールの完了には約40分~50分かかります。コーヒーでも飲みながら、ゆったりと待ちましょう。
ドライバディスク

ドライバ類を CD-ROM からインストールする

ドライバのインストール

インストールが終わって Windows が起動しても、文字がギザギザになってしまっていることでしょう。これは、ビデオなどのドライバ・ソフトウェアがインストールされていないからです。そこで、ベアボーンに付属の[Manual / Utilities / Drivers]と書かれた CD-ROM をセットします。自動的に立ち上がった画面で[Install Mainboard Software]をクリックすると、さらにいくつかの項目が並びます。上から順番にクリックし、ドライバ・ソフトウェアをインストールしていきます。面倒でしょうが、インストールが1つ終了するたびに、PC を再起動させましょう。

ライセンス認証

ライセンス登録して、Windows を有効にする

アクティべーションを忘れずに!

ドライバをインストールする前に、どこかで「Windows 製品のライセンス認証」という画面が起動したかもしれません。その際は、[キャンセル]してしまって問題ありません。ですが、ドライバのインストールがすべて終わったら、あらためて[スタート]→[プログラム]→[アクセサリ]→[システムツール]から[Windows 製品のライセンス認証]を起動します。
これは、インストールした PC のハードウェア構成がマイクロソフト社に送られると同時に、Windows のユーザー登録を行うもので、「アクティべーション」と言います。名前や住所をきちんと入力して登録しましょう。もちろん、この際には LAN ケーブルを接続しておかなければなりません。アクティべーションは、氾濫(はんらん)する違法コピー品を防止するために行っている措置ですが、メーカー製 PC では必要のないものです。自作を楽しむための「手続き」のようなものですが、もし30日以内に登録しないと、Windows が使用不能になってしまいます。忘れずに、早めに行いましょう。なお、不具合などでシステムの再インストールを行った場合は、再度手続きが必要になります。
Windows XP

インストールが正常に終わり、Windows XP が起動する

満足できる性能

さて、ST20G5 の採用している ATI 社製のチップセットは、パーツの選り好みが厳しいので定評があるだけに、私自身も、無事完成して安心しました。今回は、自慢の3画面以上の出力についてはふれる余裕がありませんでしたが、電源投入直後以外は非常に静かですし、動作もキビキビしていて、十分に満足しています。読んでお分かりいただいたとは思いますが、初めて PC を買いたいという人には、ベアボーンはオススメできません。しかし、PC について一通りの知識を身につけたと思ったら、ぜひ、ベアボーンによる自作にチャレンジしてみてください。きっと、新しい楽しみが見つかるはずです。

今回かかった費用


Shuttle ST20G5(ベアボーン)
42,136円
Athlon64 3000+(1.80 GHz・バルク)
15,370円
メモリ(DDR 400)×2
3,880円×2
Windows XP Home Edition(DSP 版)
11,520円
DVD±RW ドライブ(バルク)
6,282円
FDD(バルク)
1,588円
HDD (SATA 160 GB・バルク)
9,891円
合計
94,547円

●日本シャトル
●Shuttle ST20G5(英語)Page5:Windows をインストールする

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