ロックはやっぱりライヴ
ロックの醍醐味のひとつに、ライヴがある。きちんと作りこまれたCDを聴くのもいいけれど、生演奏でしか味わえない感動だってある。歌や演奏に込めた気持ちの熱さや躍動感は、ライヴでこそ伝わってくるものが多い。とはいえ、ライヴハウスに行くには抵抗があるという人も多いかもしれない。一般的なライヴハウスだと客席は椅子のないオールスタンディングが当たり前だから、大音量の中で数時間立ちっぱなし。これは大人にとってはちょっとつらい。ジャンルによっては激しい押し合いのようなモッシュや、他のオーディエンスの上に身体を投げ出すダイブなどもある。もちろんこういったこともロックのライヴの醍醐味なのだが、落ち着いて音楽を鑑賞する雰囲気ではないかもしれない。もちろん、酒を片手にゆっくりとロックのライヴを楽しめる店だってある。言ってみれば“大人向けライヴハウス”のような店だ。

どの席からでも見やすいSTB139店内まず紹介するのは、東京六本木にあるスイートベイジル(STB139)。ここは落ち着いてライヴを鑑賞するのにぴったりの店だ。ジャズ、フュージョン系がメインだが、ロックやニューミュージックまで幅広いジャンルのアーティストが出演している。最近ではレッド・ホット・チリペッパーズのドラマー、チャド・スミスのバンドや吉田美奈子のライヴが行われたし、この後も、先日TOTOのメンバーとして来日していたドラマー、サイモン・フィリップスのバンドなど、国内国外のトップアーティストのライヴがスケジュールを埋めつくしている。ロックファンも注目しておきたい店のひとつだ。

白熱のライヴをじっくりと鑑賞できるSTB139は、外観も内部の作りもとてもシャレていて、ライヴが始まる前からウキウキさせてくれるのがうれしい。ホールに入ると、客席にはテーブルがずらりと並んでいる。ここで飲食を楽しみ、ライヴを楽しむことができるわけだ。いわゆる“かぶりつき”で見たいなら、1階席のステージ寄りがいいだろう。落ち着いて見るなら一段高くなっている1階席後方か、客席左右に設けられたカウンター席。グループならバルコニーのような2階席も楽しい。2階席はステージ直近までせり出しているので、最前列ならステージの真上から見下ろすようなスタイルで鑑賞できる。1階最前列にもひけをとらない特等席だ。入れ替えなしの1ステージ制で、開場から開演までたっぷりと時間があるのもこの店のいいところだ。ドリンク、フードともにメニューが豊富だから、開演前にちょっとした軽食からしっかりとした食事まで楽しむことができる。もちろん演奏中にビールやワインを楽しむことだって可能。言ってみればライヴというよりディナーショウのような雰囲気なのだ。場所は六本木の交差点からすぐ近く、芋洗坂を少し下ったところだ。なおSTB139では基本的に予約が必要で、当日午後3時から配布される整理券の順に入場するシステムになっている(公演により異なる場合あり)。いい席で見たければ、必ず整理券をゲットしておこう。
ロック気分いっぱいの老舗ロックカフェ

ロックカフェといえば真っ先に思い出す、ハードロックカフェロックな気分に思いきり浸れる店、ということで誰もが真っ先に思い浮かべるのが、ハードロックカフェではないだろうか。ハードロックカフェは、その名のとおり、ロックをテーマに掲げるエンターテイメントレストランなのだ。ロックをテーマにして、ハンバーガーを中心とするアメリカ家庭料理を提供するハードロックカフェだが、その一号店がオープンしたのは意外にもイギリスのロンドンだったというのはちょっと意外な話かもしれない。現在は世界中に展開していて、日本国内にも東京のほか横浜や大阪、福岡など合計8店舗を構えている。

ギターの看板が目を引くハードロックカフェ中でも有名なのが、国内で最初にオープンした六本木店だろう。1983年のオープン時には、壁にぶらさがった巨大なゴリラが話題を呼んだし、最近作られた巨大なエレキギターの看板も目を引く。派手な街、六本木の中でも、とてもアメリカらしい雰囲気で目立っているのはさすがというべきだろうか。

アメリカナイズされた店内にはロックスターのアイテムがたくさん展示されているロックがガンガンかかっている店内も、もちろんアメリカンテイストで統一されている。ちょっと前のアメリカ映画によくありそうな雰囲気だ。そして、誰もが知っている有名なロック・ミュージシャンにかかわりの深いアイテムがたくさん並べられている。たとえばクイーンのフレディ・マーキュリーの着ていたシャツや、ジミ・ヘンドリクスのネックレス、プリンスのステージ衣装、ローリング・ストーンズのロン・ウッドのサイン入りギターなど。ハードロックカフェが“ロックの博物館”と呼ばれているのもうなずける。大音量のロックのBGM、ロックスターにまつわるアイテム、ボリューム満点のアメリカ料理。ハードロックカフェの魅力はこれだけではない。ライヴイベントも行われているのだ。HardRocksというバンドが、ハードロックの名曲のカヴァーを中心に店内ライヴを行なっているほか、世界的ロックスターもここでライヴを行なうことがある。過去にはボン・ジョヴィやメタル界のカリスマギタリスト、ポール・ギルバートなどがシークレットライヴを行なっている。またハードロックカフェは、ロックスターたちが来日したときによく立ち寄ることでも知られている。コンサートの前後、ひょっとしたらアーティストに会えるかもしれない、そんなところも、ハードロックカフェならではの魅力だろう。
懐かしいアルバムやビデオを、一杯やりながら
懐かしいロックのアルバムやビデオを肴に一杯やりながら語り合える、そんな店もある。ロックにこだわった店、ロックファンが集まる店を最後に紹介しよう。東京の渋谷にあるロックカフェ、ストロベリーフィールズは、70年代、80年代のロックとアナログレコードにこだわったお店。懐かしいロックやポップスをBGMに、ビールやウィスキーが楽しめる。この店では70年代から80年代を中心に、ロックやポップスのアルバムを膨大にそろえているそうで、リクエストにも応えてくれる。ストロベリーフィールズのWebサイトには、アルバムのリストが掲載されているが、いわゆるクラシックロックを中心に、ロック、ハードロックからプログレッシブロック、ポップスまで、60年代以降のとても幅広いロックアルバムが揃えられている。また、持ち込みにも対応してくれるそうなので、気に入ったアルバムを持って行ってかけてもらうのもいいだろう。もう一軒は、東京代々木にある“ロック居酒屋”、マイバックページズだ。こちらは大阪名物の串カツとクラシックロックを楽しめるお店。この店がこだわっているのは60年代から70年代のクラシックロックで、とくにボブ・ディランには造詣が深いようだ。またビデオやDVDも、ボブ・ディランやビートルズをはじめ500タイトル以上をそろえていて、店内のプロジェクターでの鑑賞もできるようになっている。店内ではライヴが行われることもあるし、音出しパーティの企画も受け付けているから、様々な楽しみ方ができそうだ。どちらも20~30席とそれほど大きい店ではないが、それだけにロックへのこだわり、情熱がよく伝わってくるような店だ。ロックファンなら、音楽と思い出はセットになっていることが多いだろう。昔の音楽を聴くと、その頃の記憶がよみがえるし、その当時の気分に浸ることができる。流れてくるロックにひたすら浸るのもいいし、懐かしい記憶をネタに、話に花を咲かせるのもいい。これもロックの楽しみ方のひとつだろう。今回は東京の店を紹介したが、探してみれば地元にも必ずこんな店があるはずだ。
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