ぶどう÷グレープの由来

ながい÷グレープ――はじめまして、永井さん(ぶどう÷グレープのリーダー)。最初の質問はよくされると思いますが、やはりちゃんと聞いておきたいと思います。「ぶどう」も「グレープ」もバンド名としてはあったりしますが・・・どうして「ぶどう÷グレープ」なんですか?
当初、バンド名未定の頃、とりあえずチーム名がないと何かと不便で(スタジオの予約とかね)・・・しょうがないから「不良グループ」にしてたんだけど、それがナマって「ぶどう÷グレープ」になりました。「÷」を付けた方が画数的にも良いと言われて・・・もう無理矢理です。

ぶどう÷グレープ――5人のメンバーはどのように知り合ったのでしょうか? かなり幅広い世代のようにお見受けできますが・・・
以前のバンドはずっと僕がリードボーカルをとって来たんだけど、ぶどう÷グレープのコンセプトは若い女の子に唄ってもらう事に決めてた。20人くらい試したけど納得出来ず、たまたまリハのスタジオで隣から聴こえてきた声(ギターアンプなどがラジオのような役割をして、よその音を拾ってしまう事がある)にビビっときて、それがくみんこ÷グレープだったってわけ。ベースのマツイ÷グレープは昔からのバンド仲間、飲み仲間。ミドリ÷グレープはBILLYさん(ずっといっしょに演ってたキーボード)が連れてきたんだよなあ。にん÷グレープはもう地元で活躍するNO.1ドラマーだから、無理矢理口説きました。
――ずっと名古屋をベースに活動されているのでしょうか?
はい、まさしく。地元名古屋密着型です。こだわっているわけではありませんが・・・
せまるショッカー
――永井さんは日本のニューウェイヴ~インディーズ・シーン体験者ですね。80年代はThe Shokersというバンドで活動されていたのですね。どんなバンドだったのでしょうか?パンクムーブメントから影響をうけて始まったバンドなんだけど、どんどん貪欲にファンクやエスニックなビートを取り入れ、独自のポップ感覚やなんかを急成長で磨いていきました。東京ロッカーズの重鎮「S-KEN」にプロデュースしてもらったまぼろしのシングルが未発売なのが心残り。
O次郎のバケラッタ
amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
――その後、永井さんはHIDE & BILLYというユニットを経て、松井さんたちとバケラッタとして活動されるのですね。実は、バケラッタの『スペイン』(1997年)はちゃんと買った覚えがあります。「スペイン」ってずっと国名だと思っていのですが、よく見ると1曲目の「SUPER PAIN」とかけてあるのでしょうか? 深く考えすぎでしょうか?おおっスバラシイ!ピンポーンっです。「スペイン」は「スーパーペイン」の略です。
――バケラッタって、おばけのQ太郎の弟であるO次郎のセリフですよね。「バケラッタ」としか喋らないのに意思の疎通ができる不思議なやつ。
形の無いものをバンド名にしたかった・・そんな記憶があります。
――アルバムにも収録されたXTC的ニューウェイヴな「Collection」は、4曲入りシングル『Collection』として同年にリリースされていますが、その訳は?アルバム内の「VIVA TV」という曲が地元のFM局で頻繁に流れて、ちょっと売れるかなという感じだったので「VIVA」を加えた手頃なアイテムとして作られたんじゃないかな・・・実際、売れなかったけどさ。3曲目の「リュックサック」はライブでも人気のナンバーだったよ。アルバムに入れるべきだったな。

バケラッタ――所謂、90年代後半というのは、日本でNEW WAVE OF NEW WAVEとかネオ・ニューウェイヴといった呼ばれ方をしたバンドが東京を中心に結構いましたが、その中でもバケラッタは名古屋という場所で、孤高のひねくれニューウェイヴって感じで。東京のシーンとは繋がっていたのでしょうか?
SKYFISHERの中山くんなんかはかなり早い時期にバケラをチェックしてくれて、いろんな人に宣伝してくれてたな。なので多少の繋がりは感じたし、偏屈ポップ愛好家の人達の嗅覚ってスゴイなあと今も感じます。
――セカンド・アルバム『フロイコ』(1998年)は、微妙なセクシー・ジャケですね(笑)。「風呂いこ」というタイトル曲があって安心しました(笑)。初期ニューウェイヴの香りがする中で、独特の詞の世界が構築されていますね。「エンピツさらさら」や「押入れ MAGIC」など。セクシー(笑)は3体写ってるけど、一番右に消えかかってるのがいます。それはやめると決まっていたBILLYさんを表してます。これはゲロはきそうなくらい気合いいれて創りました! 最高傑作だと自負しています! 自分の育った家とそのまわり500メートル以内だけにテーマをしぼったコンセプトアルバムなんだ。
――『フロイコ』にはクレジットが無いのですが、メガネも素敵な女性メンバー、山田みどりさんが加入されたのはそれ以降なのですね。
そうです。みどりちゃんはアルバムのセッションには参加してない。でも、しっかり「風呂いこ」のビデオクリップにはキーボーディストとして写ってます。
DRIVE to 2000
――サエキけんぞうさんが主催した世紀末イヴェント「DRIVE to 2000」にも出演されていますよね。メインの東京、そして名古屋、京都・・・全てで。実は、僕もこのイヴェントは見に行っていたのですが、残念ながら最終日の日曜日に出演されたので、バケラッタのライヴは見られなかったのです。参加された感想などあれば、教えてください。興味深いのはバケがアナログシンセなんかをガンガン使ってアレンジもソリッドにしていった時期に関東や関西でも同じような方向性のバンドが出現しだしたって共時性。それをイヴェントに参加して、かっちり確認できたから有意義ではあった。ただほとんどのバンドに、そこから未来に繋げていく革新的な感覚やパワーが薄いと感じたことも確か。
恋人はこうしてつくる
――では、ぶどう÷グレープとしての活動についての話に戻したいと思います。2005年3月にリリースされたデビュー・アルバム『恋人はこうしてつくる』までの道のりは長かったのでしょうか?
01. レスキューレスキュー02. 哀愁スパゲティ
03. 誘惑エレベーター
04. トンネルクラッシュ!
05. MOTHER
06. せっけん
07. 女生徒
08. ペンキぬりたて
09. マシンガンドロップス
10. 恋愛レンズ
11. フリーズ
12. 水をくれ
13. クリーニングッバイ☆
ぶどうを立ち上げてファーストまでに3年もかかってしまったわけだから、スローだよね。くみんこ加入によってそれまで保っていた均衡が一度、くずれてしまった。よって軋轢、メンバーチェンジもあったし・・でもかなり強引に進めてきて、結果良かったと思うよ!
――ジャケは誰が描いたアートなのでしょうか?
3、4才の女の子が折り紙の裏に書いた作品です。あまりに好きな絵なので自分だけの物にしておきたかったくらいです。

くみんこ÷グレープ――くみんこさんは、学級委員長なのですね。みんなのアイドルにも見えたりしますが、それは思い過ごしでしょうか?
そうだな・・・彼女にはいわゆるロック的な皮肉、逆説性、被害者意識、疎外感みたいなものが希薄すぎて、強烈な毒舌すら網の目からすり抜けてすまう人。
なので、逆にそれを強みにしてしまおうと、学級委員長になってもらいました(笑)。ぶどうは良い意味で自発性の強いメンバーが集まってるから、みんなオレがオレがって感じで・・・みんな自分だけがアイドルだと思っているよ(笑)。
ニューウェイヴ的遺伝子
――1曲目の「レスキューレスキュー」ではPVも製作されていますね。くみんこさんのコケティッシュ・ヴォーカルとひねくれニューウェイヴが不思議な化学反応を起こしていますね。ママスタジヲの小泉さんのXTCなギター間奏も、あまりにも確信犯で素敵です。そうそう、この絶妙なミクスチャー感覚が大事なんですよー。ぶどうには。小泉くんはバケ時代から繋がってるんだ。近い物を感じます。このギターも、やってくれたな!!って感じです。

ぶどう÷グレープ――「恋愛レンズ」も好きですね・・・ギターのカッティングとシンセの入り込み具合というのは、ぶどう÷グレープの遺伝子のように思えますが。スカっぽいですが、あくまでもニューウェイヴな感じで。
いつもリズム隊のアレンジが先で、それをギターとシンセでどこまでカッコよく出来るかっていうのが決めてだね。
――不気味ユニット「無言リコーダーズ」とは何をするんでしょうか?
喋りは録音済みのラジカセからのみ。で、リコーダーを吹く脱力ユニット(ぶどう女子による)。今は単なる幕間でしかない。
次の作品は?
――セカンド・アルバムもレコーディング中のようですが、いつ頃の発売でどんな作品になる予定なのでしょうか?発売は来年の2月くらいになりそうです。これはスゴイですよ☆演奏力的にも感覚的にも現在のぶどうが出せる実力のピーク以上を出し切っています。スタジオや機材にも前よりお金をかけました。多くの人に聴いて欲しいです!! サエキけんぞうさんにも1曲作詞をしてもらいました。「ボタンをおしなおせ」という曲です。
――各メンバーの方々に私のルーツ的レコードを一枚お勧め頂きたいのですが。
ながい÷グレープ→The Slits『Cut』
マツイ÷グレープ→YMO『テクノデリック』
ミドリ÷グレープ→グラスバレー『Logos』
にん÷グレープ→Miles Davis『Bitches Brew』
くみんこ÷グレープ→Pizzicato Five『女性上位時代』
(ご協力ありがとうございました。)
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