『デイジー』アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督来日単独インタビュー
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督
『インファナル・アフェア』シリーズで、低迷していた香港映画界を活気付けた香港のベテラン監督。昨年はアジアのトップアーティストである台湾のジェイ・チョウを主演に日本のコミック『頭文字D』を映画化して大ヒット。今回は韓国のスター俳優を主演にオランダロケを敢行した『デイジー』のプロモーションで来日。「日本のインタビューさんは皆さん誠実で真面目だから畏まっていて、こちらが緊張するよ。香港人には、もっとフレンドリーでいいんだから」(『頭文字D』の共同監督アラン・マック談)、との言葉を聞いていたのでフレンドリーに迫ってみました。
『デイジー』
[DAISY] 韓国公開:2006年3月9日(初登場No.1)
2006年5月27日[土]~ 有楽座ほか全国ロードショー
プロデューサー:チョン・フンタク
監督:アンドリュー・ラウ[劉偉強] 脚本:クァク・ジェヨン[郭在容]
出演:チョン・ウソン[鄭雨盛]、チョン・ジヒョン[全智賢]、イ・ソンジェ[李誠宰]ほか
2006年/韓国/2時間05分/東宝東和配給 日本語字幕:根本理恵
公式サイト:http://www.daisy-movie.com/
『デイジー』来日会見+インタビュー
『デイジー』アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督インタビュー
南 :記者会見などを含めて監督にお目にかかるのは7度目ぐらいになるのですが、いつも笑顔なので、とても穏やかな印象を受けております。実際の撮影現場ではどうなんでしょう?怒鳴ることもあるのでしょうか?
⇒すると「カメラを覗かない時は、穏やか」のスタッフの声が入る。
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:(笑いながら)そうね。カメラを覗くと怒鳴りますよ。昔の方が怖かったかもね、今はそうでもないですよ。
南:今回のオランダロケは、どの段階で決まったのですか?
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:脚本の段階では、NY(ニューヨーク)と韓国で撮影の予定でした。でも脚本を読んでいるうちにヨーロッパの方が筋が通る話だと思うようになり、実際そういう声も多く出てきました。そこでロケ地を選びにまずブタペストに行きました。次にプラハに行って、最終的にオランダに決めました。そのために説得しましたよ、投資者さんとか。アムステルダムは、非常に物価の高い町。なので資金がないと撮影できないんですよ。
南:そうだったのですね。作品も舞台も魅力的でした。名作『ローマの休日』で感動してローマめぐりしたい、というようにオランダに行ったら絶対に『デイジー』ロケ地めぐりをしたいと思っています。
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:ありがとう。私もオランダでぶらぶらしたいよ。
南:うわー、監督もですか。では、監督だったらどちらに行かれます?
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:(南が持参したオランダの地図を広げながら)アムステルダムでは、タイムズスクエアから中華街に行って、この通りはすごくキレイ。それからハーレム広場だね。
南:ハーレム広場……ですか。
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:載ってないかもね、郊外だから。
南:アムステルダムから離れて……あっ、ここですね。
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:あははは、よく分かったね~。(周りのスタッフに「ハーレム」を知ってるよ)。そう、そこそこ。
南:実は事前に調べました。ところで香港以外での撮影は、慣れたものですよね。確か前回の日本での撮影は規制が多くて大変だった、とおっしゃっていたと思います。オランダでは?
『デイジー』アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督インタビュー
南:実は事前に調べました。ところで香港以外での撮影は、慣れたものですよね。確か前回の日本での撮影は規制が多くて大変だった、とおっしゃっていたと思います。オランダでは?
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:規制は工夫して何とか、ね。で、オランダのクラシックな雰囲気を大切にした、小鳥を売っているお店を改造したりして。でも、広場はセットがつくれない。だからロケで。ヘヨンのアトリエは実際に画家のアトリエなんですよ。まあ、絵を並べなおして、印象派のものにしましたけど。
南:それはオランダがレンブラントやゴッホの地だからですか?
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:そうそう、だからオランダをロケ地にしたんだ。オランダ人は絵画に慣れ親しんでいるし、伝統もある。それに建築も素晴らしい。多くの日本人がオランダで建築を学んでいるでしょ。
南:それでは、監督のお気に入りの建築物はどちらでしょう?劇中に登場しますか?
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:ハーレムの街ですね。全体の雰囲気が好きです。こうカテドラルがあって、見渡す限り、並ぶ建築物とのバランス。あのボートハウスもハーレムです。
南:(チョン・ウソン演じた)パクウィのボートハウスですね。あの状態で撮影に借りられたのですか?
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:うん。場所はそのまま、停泊しているもの。インテリアは全てとりかえましたよ。
南:こだわりですね。さて現場で「感動演出」なる流行語が生まれたと聞きましたが、ご存知でしたか。言葉の問題を超え撮影がとてもスムーズに進み、時間通りに終わるそうで。
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:(周りのスタッフに「知ってた?」)時々、はやく終わるから。映画の現場では悪い習慣があるんだよ。ときどき撮影が始まると終わらせたくないのか、なかなか終わりがこない。香港でも撮影に入ると、食事の時間がなくなるぐらい。わたしは時間をとても気にするほうで、一日10時間という撮影は決して短くないですからね。スタッフも俳優もあまりに長いと疲れてやる気がなくなるわけです。特に俳優たちの疲れは、相当なものです。体力が消耗されてしまうと、今度はいいものが撮れなくなるんです、だから。今回のような場合は、ご飯です。今回のように韓国・オランダ・香港のスタッフ、そして俳優と大家族でしたから、お昼を取って皆で食べることもありましたね。
南:食事の話がでたところで、オランダには日本のラーメン*に匹敵する食べ物がありましたか?(監督は大のラーメン好き、しかも日本の)
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:(ニヤリと笑い)ワンタンメンだね。今もラーメンを食べに行きたいのに、今回の来日ではまだ食べてないんだよ。
南:あらま、意外です。昨年の夏は、味噌ラーメンに凝っていたんですよね。
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:そうだった?スープの研究も怠らないよ。出汁(だし)は何とか、鰹や昆布といったシーフードベースとか。
南:なぜか、出汁で思い出したのですが、『デイジー』の撮影現場は牛の糞尿……というエピソードだけになりそうなので何か他にありませんか?
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:出汁と糞尿…ね(特大の笑い)。そのままでいいよ。
南:ではお一人だけでも。このあと(↑写真の)イ・ソンジェ[李誠宰]さんにインタビューなので……是非。
アンドリュー・ラウ[劉偉強]監督:脚本が完成した後、チョン・ジヒョンさんは大好きで、一緒に仕事をしたいと思っていた。パクウィはチョン・ウソンさんを想定して書かれた役でしたからね。そしてイ・ソンジェさんの役は候補がたくさんいましたが、彼が適任でしたよ。なのでイ・ソンジェさんには今回は素晴らしい仕事(演技)をありがとう。また何かで一緒にお仕事したいですね、って伝えて。
「実は監督との単独インタビューは二度目なんですけど、前回は緊張してラーメンときゅうりの話で終わってしまって……」と最初に正直に告げると「あははは」と大笑い。「今も緊張してる?」「はい、もちろん」、「じゃ、これを食べなさい」と監督のおやつをスッーと差し出してくれました。さすがにそれに手を出すほど思考は停止していないので「いえいえ、とんでもございません」と辞退。
写真撮影では、「監督に失礼なのかもしれないのですが」とインチキ・デイジーの造花を差し出したところ「えー、デイジーはですねぇ。花弁は白く……」と解説が。慌てて「はい。数店舗捜し回ったのですが、デイジーは売っていなくて……」。すると首をかしげて可愛くニッコリ・ポーズ。思わず「監督、カワイイです」と伝えたところ、(日本語でギャル風に)「か~わ~いーい」と、はしゃいでくれました。最後に「本当はクールって言って欲しかったな」とポツリ。大変、失礼致しました。限られた時間で、これだけ話せたのはスーパー通訳さんのお陰。
『デイジー』
[DAISY] 韓国公開:2006年3月9日(初登場No.1)
2006年5月27日[土]~ 有楽座ほか全国ロードショー
プロデューサー:チョン・フンタク
監督:アンドリュー・ラウ[劉偉強] 脚本:クァク・ジェヨン[郭在容]
出演:チョン・ウソン[鄭雨盛]、チョン・ジヒョン[全智賢]、イ・ソンジェ[李誠宰]ほか
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