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PS3が売れる為に必要なのはプレゼンス

PS3という商品について考える




ハード売り上げの推移的には、ゲームキューブに近い感じですね。PS2の頃とは比較できないほど減少しています2006年11月11日、ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下SCE)から発売された次世代据え置きゲーム機、PLAYSTATION3(以下PS3)。任天堂のWiiの方は、非常に好調で売れているというニュースがよく流れますが、PS3の方はどうかというと、2008年1月までで約
180万台ほどが普及しています。

Wiiが500万台を超えているので、Wiiの半分以下、3分の1に近い普及状況です。PS3が苦戦している理由には色々なことが挙げられます。値段が高価であることや、発売当日に数が揃わなかったことなど、複数の要素が重なって現状になっていると思われます。今回はその中で、PS3という商品そのものについて考えてみたいと思います。PS3という商品は売れる商品になっているのか、商品力があるのか、というお話です。

PS3を買うとどんなハッピーが訪れるのか


Wiiスポーツをするカップルの図

Wiiのプロモーションは、Wiiという商品で色んな人が集まってゲームが楽しめるということを、強く意識したものでした。一言で言えば、PS3を買うことによって
どんな幸せが訪れるのか、これが分かりやすく伝わると、PS3の存在の意義が明確になる、つまり存在感がでます。Wiiで言えば、子供から大人まで、ゲーム好きも、ゲームをしたこと無い人も、誰でも楽しく一緒に遊べる。こういう楽しさを、Wiiスポーツというソフトで強烈に表現することによって、存在感を持ちました。

Wiiというハードが存在感を持っているのは、
ゼルダよりもWiiスポーツ、
マリオよりもWiiFitを前面に押し出すことで生まれています。ゼルダやマリオは、むしろゲームがもともと好きな人に対する脇固めの役割を帯びていると言えるでしょう。

今PS3を買うとどんな幸せが、どんな新しい楽しさが訪れるのか、これを分かりやすく説明できるタイトルはまだちょっと見当たりません。現状、PS3のソフトの多くはPlaystation2(以下PS2)の延長上、PS2の豪華版に留まっているように見えます。高性能である分、開発に時間とお金がかかりますから、発売後約1年でハードの性能を生かしたゲームを望むのは酷なことではあります。しかし、ライバル機のWiiがスタート地点で明確な差別化を図ってきた以上、そうも言ってはいられないわけです。

キラーソフト不在による悪循環


FF13の図

FF13はPS3のキラータイトルとなり得るのか。それは、FF13がPS3でしかできない新しい価値を生み出すことができるかどうかにかかっています。PS3は実に高い性能、豊富な機能をもったハードです。しかし、高性能故に開発に時間がかかり、キラータイトルの不在からその価値が決定づけられていません。それが存在感が無いということです。

ハードの価値、存在が決定付けられないと誰にどう売ったらいいかも分かりません。もちろん幅広い層に売れれば一番いいわけですが、どこをコアターゲットに設定して、どんなコンテンツを切り口にして、どういう過程で間口を広げていくのかという事業のストーリーを描くのが非常に困難になります。

このことはプラットフォームホルダーであるSCEはもちろん、ソフトを開発するサードパーティ、それに販売する小売店、さらにはPS3を取り上げたいメディアなど、様々なところに影響を与えます。ハードの存在感が希薄な為に、方向性が定まらず、方向性が定まらない為にソフトのリリース戦略や、プロモーション戦略にブレが起こり、その為にハードの存在感を打ち出すことができなくなるという悪循環にも陥ります。

PS3の戦略上急務であるのは、キラーソフトの登場です。しかしそれは、というお話を最後にしたいと思います。

PS3が世の中にどう在るべきか それを決めるソフト


フルードラゴンの図

Xbox360において、ブルードラゴンはキラータイトルにはなり得ませんでした。PS2の路線に近いゲームでは、Xbox360の存在意義を決定付けるには困難です。PS3に近い性能であるXbox360がそうであったように、発売2年目である今年の年末商戦までには、その性能を存分に駆使したオンリータイトルが登場するでしょう。これはもう、登場してもらわなければ困る、というぐらいの状況ですよね。

重要なのは、それが本当に誰が見ても、今までにこんなもの無かったと思うようなインパクトがあるものかどうか。そして、そこでPS2の延長ではない、
PS3独自の価値を提案できるかどうかです。これがいわゆるキラータイトルの必要条件であると考えられます。おそらく現在の状況からすると、PS2を豪華にした内容ではどんな大作ゲームもPS3のキラータイトルにはなり得ないでしょう。

ゲームボーイにおけるポケットモンスターが、ゲームを子供達のコミュニケーションツールへと昇華させたように。脳を鍛える大人のDSトレーニングが、ニンテンドーDSを大人でも使える生活の役に立つ道具へと変化させたように。初代Playstationでファイナルファンタジー7がゲームにおける映画的表現の魅力を強烈に打ち出したように、PS3の存在を大きく決定付けるソフトが必要であるはずです。少々大仰な言い方かもしれませんが、そういうものがでて初めて、PS3が社会の中でどう在るものなのかという、根っこが据わるのです。

社会の中で自分の位置を確保できない商品は、どんなにスペックが高くても売れません。逆に言えば、高画質の映像も、オンラインの機能も、ブルーレイディスクドライブを搭載していることも、PS3の存在意義がしっかりと確立された時、付加価値として強い意味を帯びるのではないでしょうか。

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